ミラクル番外地

壁打ちブログ

『ブレンパワード』感想

「俺、17歳になってしまった」

 

実は半年ほど前に序盤で脱落していたのですが、アマゾンプライムに入ったのを機に最終話まで視聴。プライムの配信作品の選び方、YESだね!

 

序盤は「作中用語の説明がほぼないまま進む」「キャラクターの発言は真実ではなく、あくまで仮定のひとつでしかない」「独特の省略がなされた台詞回し」と富野監督らしい作劇が全開でなかなか見辛い!(そういうところが監督が鬼才たる所以ですし好きな部分でもありますが) ペースが掴めてきた中盤、特に第14話「魂は孤独?」以降はかなり楽しんで視聴できました。

 

「母と子」を中心に自己と他者、大人と子供、過去と現在、そして男と女(雌雄)などを対比する設定やキャラクターの配置になっています。そこが掴めてからはぐっと見やすくなったし設定の面白みも感じられましたね。永野護さんのメカニックデザインも(作画は厳しそうだったものの)作品に合っててよかったなあ。

 

反発し合いながら、求めずにはいられない、生きることの寂しさみたいなものが作品の根底にあるのかなと。そういう人間の生の部分、生の叫びが魅力の作品です。特にジョナサンとアノーア/バロンの会話劇は秀逸。キャストの熱演も素晴らしい。なんでアンタがバロンなんだあ!?

 

あと家族関係や個人の生い立ちからの逃避がそのまま地球からの脱出に繋がっているところなんかはジュブナイルっぽいエモさがあって…イイヨネ…。安くさくならずにふたつのスケールが両立しているのが魅力ですね。

 

つまるところ視聴者の情緒に訴える作品だと思うので、逆にその情緒=オーガニック的なものさえ感じられれば細部が理解できなくても気にならない。考えるなオーガニックを感じろ!菅野よう子さんの楽曲を聴いてグッときたら見てみるのも手かと思います。 ターンエーもそうでしたが菅野さんの楽曲無しには成立しない作品。

 

個人的な感想としてはクインシィ・イッサーこと伊左未依衣子が可愛くて(…と言い切っていいものかはともかく)好きです。ああいうキャラは男女問わず好きなの…! 他のキャラクターもそれぞれ味わい深くて最後には愛着が湧いたなあ…。いのまたむつみさんのキャラクターデザインも良かった。

 

「親と子」そして、解り合うことではなく「共に生きること」を描いた美しい(だけでないが故に美しい)アニメでした。二周目したい。

 

「オルファンさん!あたしの一番大切な人をあげるのよ!あたしの愛している人なんだから、寂しくないでしょう?」